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 医師からのメッセージ 大学院生・9年目

私は平成22年に大学を卒業した後に、市中病院で2年間の初期臨床研修を経て、3年目から癌専門病院での外科レジデントとなりました。外科レジテント3年目は乳腺外科 消化器外科 肝胆膵外科、心臓血管外科をローテートし一般外科医としての素養を身に付け、4年目から本格的な呼吸器外科専属レジテントとしての修練を開始しました。5年目以降はシニアレジデント、チーフレジデントとして引き続き癌専門病院でがん診療に携わり、6年目で外科専門医を取得しました。7年目で帰学し病棟主治医を経た後、卒後8年目に大学院に進学し再生医療、肺癌に関する基礎研究を行っています。9年目の今年の秋には呼吸器外科専門医を受験する予定です。

呼吸器外科の魅力

私は学生時代から癌診療に対して興味があり、中でも根治を目指した治療としての手術に携わる外科医になりたい、患者さんや周囲から信頼される良いsurgeonになりたいという強い気持ちがありました。初期臨床研修開始時点では漠然とした外科医のイメージしかもっておらず、膵臓外科、食道外科などの大きな手術が求められる分野に対しても興味がありましたが、実際に自分で診療にあたるにつれて、呼吸器外科におけるその診療の奥深さに魅了され呼吸器外科医になろうと決意しました。例えば肺癌の手術ですと、現時点での肺癌の根治的治療は進行度が早期のものであっても内視鏡的な治療や放射線治療では不十分とされ、手術が第一選択となります。癌の根治を目指すにあたって手術そのものが大きなウェートを占める、外科医にとってこれほどやりがいのあることはないのではないでしょうか。その手術も胸腔内の肺動脈、肺静脈といった大血管の処理を行いながら進めていく非常にスリリングな手術になります。また手術のみならず、術前・術後の化学療法、放射線療法といったTri-modalityを組み合わせた、いわゆるoncologyの知識も必要となります。また呼吸器外科では肺癌の手術のみならず、気胸などの良性疾患の手術、肺移植や大血管浸潤を伴う縦郭腫瘍に対する拡大手術などdynamicな手術もあり非常にvariationに富んだ診療を経験することができます。大血管を含んだ手術の知識、腫瘍学の知識が同時に求められる、この点が心臓血管外科や消化器外科には見られない呼吸器外科の魅力の一つではないでしょうか。

大阪大学呼吸器外科における外科研修

阪大の関連病院は大阪府内を中心に数多くあり、癌専門病院では肺癌、転移性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫を、呼吸器専門病院では気胸、膿胸、慢性肺疾患を、そして大学病院では肺移植、縦隔腫瘍などの希少疾患を経験することができ、非常に幅広い分野での診療を経験することが出来ます。また症例数の多い関連病院が多く、やりたい盛りの若手外科医にも多くの執刀の機会が与えられます。私は癌専門病院で年間100例前後の症例の執刀を経験させて頂き、9年目となった今は自信を持って手術に望む事が出来ています。初めて肺葉切除を自分自身で完遂した日の感動は今でも忘れることはできません。また近年肺癌患者数は増加の一途をたどっていますが、日本全体を見回しても呼吸器外科を専門とする外科医はまだまだ多くないのが現状で、阪大呼吸器外科の研修システムの様に十分な修練を受けた専門医は重宝されます。また手術のみならず、大学病院・関連病院の先生方は、学術活動にも大変力をいれており、論文執筆や学会発表も大きなサポートをもらえますので、学術活動を含む知的欲求も十分に満たすことができます。

最後に

阪大呼吸器外科の雰囲気は良い意味で「外科」らしくないリベラルで温かみのある医局で、他大学出身の私もとても居心地良く感じています。上司の先生との間の垣根も低く、診療や学術面で何か相談したいことがあるときはいつでも温かくサポートしてもらえます。阪大卒でない方達の中で都市伝説としてある、他学出身者は優遇されない、といった事は決してありませんのでご安心ください。若手医師には皆平等にチャンスが与えられますので、自分自身の頑張り如何で様々な道が開けるはずです。学生の方、初期臨床研修医の先生、外科研修中で専門を決めていない先生の中で、肺や縦隔の疾患・治療に少しでも興味があれば、是非大阪大学呼吸器外科を訪ねてみてください。

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