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医師からのメッセージ 勤務医・10年目

私は現在の臨床研修制度以前のH14年に大学を卒業後、すぐに旧第1外科医局に入局しました。学生の頃から外科系に興味があり、何より自分で執刀してみたいという気持ちが大きかったように思います。しかし当時はまだまだ女性外科医の数は少なく、歓迎されない医局も多くあった時代でした。その中で呼吸器外科の先生方は非常にあたたかく受け入れて下さったこと、そしてとても奥深い肺の手術に魅せられて入局を決意しました。大学病院で外科系の研修をうけ、2年目以降は呼吸器専門病院で2年、総合病院で1年、また呼吸器専門病院で3年の研修をうけ、8年目で大学に帰局しました。大学院には進学を希望せず、現在はまた呼吸器専門病院で常勤医として働いています。5年目に外科専門医を取得、7年目に出産を経験し、9年目に呼吸器外科専門医を取得しました。10年目の今年、第2子を出産予定です。

呼吸器外科臨床研修について

私は以前の研修制度のため、当時の話は参考にならないかと思いますが、現在の研修制度の研修医を指導する立場からお話ししてみたいと思います。新しい研修制度になって、呼吸器外科をローテートする研修医が減少しましたが、例え3か月だけでも呼吸器外科をのぞいてみてほしいと常々思っています。研修した若いタマゴ達は、たいてい楽しかったと言ってくれます。初期研修1年目でも、胸腔鏡手術のスコピスト(カメラ持ち)は責任を持ってしてもらいますし、市中病院では気胸の手術を執刀してもらうこともあります。多くの市中病院では医員が足りないので、貴重な戦力なのです。皮膚の縫合や結紮はもちろん、術後管理も自分の力でできるようになることを目標にしています。
阪大の特徴として、大阪府下の関連病院が多いこと、呼吸器外科の手術数が多いことが挙げられます。また総合病院での研修も可能であるため、外科専門医を取得するために必要な消化器外科や心臓血管外科、小児外科の症例の蓄積にも困ることはないと思います。これらをローテートしながら自分の最も興味がある領域を考えることも十分可能ではないでしょうか。

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呼吸器外科の魅力とは

人それぞれだと思いますが、私にとってはOncologyだけではないこと、でしょうか。また、現在は、消化器外科や心臓血管外科の中でも専門とする臓器や領域が細分化されつつあります。それに対して呼吸器外科では、肺腫瘍・肺感染症・縦隔疾患・胸壁疾患・横隔膜疾患など、どの手術でも執刀できることが要求されます。これらの手術は全く違う分野の手術と考えていいくらい、バリエーションに富んでおり、呼吸器と一言にいいますが、実はとても広く深い分野なのです。特に感染症に関しては、経験の少ない専門医が多いことの実情です。私は個々で全く病状が異なる感染症に対して、症例に応じて適切な術式を選択し、治癒を目指せる手術ができる専門医になることを目標としています。

女医さんへのメッセージ

現在学会レベルでも女医さんに対するサポートが充実してきました。専門医更新時の年数免除や、学会時の託児所の併設がようやくここ2,3年で実現されました。最近の呼吸器外科関連学会に行くと、私より年下の女医さんの数は飛躍的に増えていて、喜ばしく思っています。子供が生まれても引き続き外科医を続けてくれることを願ってやみません。
私は阪大の呼吸器外科で初めての女性入局者ですし、初めての子育てしながら働く女医でもあります。女性には乳腺外科が比較的人気のようですが、呼吸器外科も女性向きの科だと思います。肺の手術は、血管処理など器用さが要求される手術であり、手の小さな女性には向いていますし、何より緊急手術で夜間に呼び出されることが少ないのが助かっています。子育てしながら働くことが大変なのはどこの科でも一緒だと、他の科の女医さんを見ていて思います。むしろ私より待遇の悪い外科系以外の友人はたくさんいます。自分が特に忙しく、大変だとは全く感じません。それも、他の先生方の理解とサポートが得られているからだと思います。今まで勤務した何処の病院の先生も、とても優しく理解ある方々でした。女性だからと悔しい思いをしたこともないですし、現在も子育て、かつ妊娠中ですが、ありあまる配慮の下、とても楽しく働かせてもらっています。

奥村教授は女医さんに非常に理解ある方です。女医さんが増えないと、外科はいつか立ちゆかなくなるといわれている時代です。外科医になりたいけど、迷っているという女医さんがいたら、一度阪大の門をたたいて、お話だけでも聞いてみて下さい。いつでも歓迎します。

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