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  肺癌登録合同委員会について

原発性肺癌は本邦における死因の第1位であり、日本国民の健康福祉の向上のために治療成績の向上が求められています。原発性肺癌の治療には外科治療、抗癌化学療法、分子標的療法、放射線療法がありますが、根治のためには外科治療が必須です。外科治療の成績の更なる向上のためには、大規模なデータベースによる治療成績の把握により、外科治療の適応や術式の妥当性が検討される必要があります。
 肺癌登録合同委員会は、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会、日本胸腺研究会、日本石綿・中皮腫学会が合同で運営されております。

第11次全国肺癌登録事業
2021年に外科手術を施行された肺癌患者のデータベース研究


1.研究の対象
 2021年1月1日より2021年12月31日までの間に、当院呼吸器外科にて原発性肺悪性腫瘍(肺がん)の外科治療を受ける患者さんを対象とします。

2.研究目的・方法
 肺がんは肺に発生する悪性腫瘍で、喫煙や大気汚染がその発生に関与しています。肺がん患者数は増加傾向にあり、我が国では2014年には約11万3千人(男性77,617人、女性36,933人)が新たに診断されていると推定されています。一方、肺がんによる死亡者数も増加傾向にあり、2017年には約7万4千人(男性53,002人、女性36,933人)に達しています。
 肺がんを確実に早く治療するには、早期発見と根治手術が最も確実な治療法とされており、全ての肺がん患者さんの約50%が手術を受けています。肺がんの病状によっては、手術前に放射線療法や化学療法またはその組み合わせ治療を受けたり、手術後に化学療法や放射線療法を受けたりする場合もあります。そして手術を受けた約半数の患者さんは、手術時に見つからなかった場所のがんが手術後に発見される事があり、さらに治療を要する場合もあります。
 以上のように肺がんの手術治療を受ける患者さんは、病状や全身状態によって多彩な経過をたどることになります。肺がんの治療成績は年々向上していますが、患者数は未だ増加傾向にあるため、今後さらに新しい検査、手術技術や薬物など、診断や治療方法の開発が必要です。そのためにも、約7000人規模の全国的な多施設共同研究が必要と考えられます。
 この研究を行う肺癌登録合同委員会は、日本呼吸器外科学会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会が共同で運営している組織で、5年ごとに我が国で肺がんの外科治療を受けた患者さんの情報を集め、治療状況を調査しています。このようなデータを調べることで、肺がん治療成績の向上に貢献するとともに、世界共通の評価基準を作ることに協力してきました。
 今回は、2021年に手術を受けた患者さんの情報を集めて分析します。また、国際的なデータベースに協力し、肺がん診療の世界基準の構築に貢献いたします。

3.研究に用いる試料・情報の種類
 従来、肺がんの手術を受ける方は、ナショナルクリニカルデータベース(NCD)というシステムに手術情報、診療記録、臨床検査データ、診断用画像情報、病理組織情報を登録しています。それに加え、本研究では、術後経過中に観察された再発や手術以外の治療、健康状態などについても登録し、解析します。なお、本研究は、通常の臨床において診療記録に記載されている情報のみを用いて行う観察研究ですので、患者さんに本研究のために特別な検査や処置をお願いすることはありません。

4.外部への試料・情報の提供
 各施設からNCDシステム上に入力されたデータは、胸部腫瘍データベースとして集積され、NCDサーバー上で保管されます。NCDに集積されたデータは、研究事務局が定めるデータ解析センター(東京理科大学理学部数学科)へ送られ解析されます。その際情報の輸送は、物理的手段あるいは最新の安全措置がされたwebシステムを介して行います。データ解析センターでは、外部と接続されていないパーソナルコンピュータにデータを入力し保管します。
解析されたデータは、今回の研究に参加を希望する全国の大学医学部附属病院、および地域の基幹施設で、論文作成等に利用されます。論文等の発表から10年まで、各施設から送付された登録資料を保管します。
本研究で構築され匿名化されたデータベース(添付資料の項目)を、海外の国際的学術団体であるInternational Association for the Study of Lung Cancer(Scientific Affairs (13100 E. Colfax Ave., Unit 10 Aurora, Colorado 80011, USA, Office: +1 (720) 598-1941)に供出し、肺がんの進行具合を示す指標であるTNM分類の改定作業の基礎データとします。データはウェブ環境に接続されていないコンピュター上で厳重に10年間管理され、その後破棄されます。

5.研究組織
 本登録研究への参加施設および研究責任者に関する情報は、肺癌登録合同委員会ホームページへ公開しております(https://haigan-touroku.jp)。

6.お問い合わせ先
 本研究全体に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。 ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
新谷 康 (大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学)
大阪府吹田市山田丘2-2(L5)
TEL: 06-6879-3152, FAX: 06-6879-3164

研究責任者: 伊達 洋至(京都大学大学院 医学研究科呼吸器外科学)   
研究代表者: 吉野 一郎(千葉大学大学院医学研究院 呼吸器病態外科学)

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第9次全国肺癌登録事業
悪性胸膜中皮腫の前方視的データベース研究


1.研究の対象
 2017年4月1日から2018年3月31日の間に細胞診または組織診にて悪性胸膜中皮腫と診断された20歳以上のすべての患者さんを対象とします。

2.研究目的・方法
 本研究の目的は、本邦で診断された悪性胸膜中皮腫症例を前向きに登録してデータベースを構築し、治療成績を検証し、標準治療の確立のための基礎データを構築することです。さらに、構築されたデータベースをもとに臨床研究を行い国内外に情報発信するとともに、国際的なデータベースにも参加する予定です。 また、現在、国際中皮腫研究会はデータベース事業を開始し、国際共同研究が提案されています。本研究のもう一つの目的は、本邦での独自の研究に加えて国際共同研究にも参加し、国際的な標準治療を確立することです。 カルテに記載されている一般的な診療情報を全国規模のデータベースに登録します。本研究は、長期にわたる経過観察と転帰の情報の入力が必要であるため、参加施設の担当医が登録前に患者さんに説明書を使って研究について説明し、インフォームド・コンセントを取得するとともに、研究対象者等が拒否できる機会を保障いたします。

3.研究に用いる試料・情報の種類
 臨床症状、血液検査結果、画像診断情報、病理診断情報、治療後の転帰・予後など、カルテに記載されている一般的な診療情報を登録します。

4.外部への試料・情報の提供
 データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、当センターの研究責任者が保管・管理します。患者さんのお名前などの第三者が患者さんを識別できる情報がデータベースに登録されることはありません。
また、当事業の症例データベースは世界肺癌学会のデータベースなどにも供与されます。

5.研究組織
 本登録研究への参加施設および研究責任者に関する情報は、肺癌登録合同委員会ホームページへ公開しております(https://haigan-touroku.jp)。

6.お問い合わせ先
 本研究全体に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
新谷 康 (大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学)
大阪府吹田市山田丘2-2(L5)
FAX: 06-6879-3164

研究責任者: 吉野 一郎(千葉大学大学院医学研究院 呼吸器病態外科学)   
研究代表者: 長谷川 誠紀(兵庫医科大学 呼吸器外科)

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相談窓口

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