- 感受性試験が確立されたものではないことを考慮して、現状でもっとも有力なパクリタキセルとカルボプラチンを投与するか
- 感受性試験の結果を参考にして他の有効と予測される抗癌剤を投与するか
- 1期にのみ有効性が確認されているUFTという経口抗がん剤を投与するか
- あるいは経過観察するか
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研究の意義:
手術後の補助化学療法により肺癌の治療成績は向上していますが、現在用いられている抗がん剤でもすべての患者さんに効果があるわけではありません。また、抗がん剤による化学療法にはさまざまな副作用を伴います。このような現状から、化学療法を実施する前にあらかじめその抗がん剤が有効であるかどうかを判定することができれば、効果の乏しい薬剤の投与を避け個々の患者さんに合う抗がん剤を用いて化学療法を行うことができると考えられます。
研究の目的:
手術により切除された肺がんに対して補助的な化学療法を行うにあたり、抗がん剤感受性試験が抗がん剤の投与の判断基準として有用かどうかを調べることを目的としています。
研究の方法:
手術のときに切除した腫瘍組織の一部を用いて、肺がんに対して有効性が確認されている抗がん剤(パクリタキセル、カルボプラチンなど)の効果を試験管内で調べます。具体的には、切除した腫瘍から酵素を用いて細かく分解し回収したがん細胞をコラーゲン・ゲルというゼリーに混和し、これを抗がん剤と接触させ、さらに約1週間培養後、がん細胞の増え具合を画像解析装置で計算します。
現在、手術後の補助化学療法で有効とされている抗がん剤はパクリタキセル+カルボプラチンとシスプラチン+ビノレルビンの2種類の組み合わせがあります。本臨床研究では、病理病期1B ? IIIA期の患者さんで、パクリタキセルとカルボプラチンの抗がん剤感受性試験で効きにくいと判定された方以外の患者様に対して、副作用の比較的少ないパクリタキセル+カルボプラチンを用いて術後化学療法を行います。感受性試験でパクリタキセルとカルボプラチンが効きにくいと判定された患者さんについては主治医と相談の上、
したがって、仮に本研究に参加され、感受性試験の結果で低感受性群となった場合でも、現在多くの施設で実施されている術後補助化学療法とまったく異なった治療方針となったり不利益を被ったりするものではありません。
研究の対象に該当する患者さんへ:
患者様の外科切除材料の一部は感受性試験検査のために外部の検査機関に提出されますが、個人情報を含めたプライバシーは厳守いたします。抗癌剤感受性試験に関わる費用は研究費でまかなわれますので患者さんにご負担いただくことはありません。ただし、術後補助化学療法に関わる入院等の治療費は健康保険で認可されていますので通常診療の費用となります。
